回収額を少しでも増やす
裁判で勝てば良い？
相手側が再三の督促にも応じない場合、最終的に裁判、判決、強制執行という流れを取らざるをえないことになります。債権者側に不備が無ければ、必然的に裁判は勝訴となり、裁判所で認められた請求を相手に行い、相手が応じなければ差押えなどの強制執行をする事になります。
しかし、相手側に不動産や預金といった資産がほとんど無ければ強制執行をしても、結局は無い袖は振れないということで、あまり効果が出ません。
※預金の差押えをすれば取引銀行からは融資を引き上げられ、嫌がらせにはなります。
また、取引先の保証金等を差押えることも可能ですが、その場合、債務者の事業ができなくなる場合があります。債務者が信頼でき、今後も事業を続けていくのであれば、わずかな保証金や資産を当てにするよりも、今の事業を続けてもらって、程よい金額を返してもらい続けるのが一番の得策となります。
上記のような事案からわかるように、単に返済を威圧的に迫ったり、債務者の状況を考慮せずに無理な返済方法を要求しても、債権回収の効果は見込めません。
債権回収を成功させる重要なポイントは、相手と争って追い詰めることではなく、いかに相手の協力を引き出して支払意思を持ってもらうか、なのです。
任意売却と競売
裁判で勝訴して、裁判所の命令で不動産等が差押えになった場合には、物件は競売にかけられ、落札金額から手数料が差し引かれ、残った額が債権者の手に届きます。しかし、競売にはいくつかのデメリットがあります。債権者は手取りが少なくなり、相手も自宅や店舗などの不動産を失うことになります。
